ドンペイのコラムでござる

[2025年03月号] 俳優 ドンペイのコラムでござる

十数年前、NHKで放送された「坂の上の雲」
当時でも 現在でも 珍しい
3年に渡る大河ドラマのような作品
放送前から話題になっていたので
僕もテレビの前で視聴者として観た
世界数ヵ国でロケをしたらしく
ストーリー、壮大な画、豪華なキャスティング
すべてが申し分なく
超 大河ドラマと言える 大作ドラマだった
1年目 ( 第1部 ) テレビの前で観ていて
俺もこんなドラマに出演できる俳優に
なりたいなぁ~と思っていた
2年目 ( 第2部 ) この豪華なキャストの中に俺の顔は …
あ~ムリムリ ないわなぁ~と
羨む気持ちで画面を観ていた
そんなある日
NHKから事務所に連絡があった
「 坂の上の雲 」  第3部 に登場する
戦艦 三笠 の 砲術長 安保 清種 役を
ドンペイさんに お願いしたい と …   
マネージャーから話を聞いたときは
えっ !   ウソやん …   ホンマ …
テレビで観ていた あの壮大で豪華なドラマに
出れるの … と夢でも見ているようだった
その頃は もう大河ドラマや朝ドラには出ていたが
超 大河ドラマには
さすがに無理だろうと思っていたので
本当に嬉しかった

いざ撮影がスタートした
戦艦 三笠 と同じ 実寸大の撮影用 三笠が
石川県の小松に造形されていたので
数週間 北陸の地でロシア艦隊を迎え撃った
砲術長は指示を全艦に伝える
重要な役割があるので
連日 大声を張り上げて 精一杯
安保 清種さんに憑依した
クライマックスシーンで
切羽詰まった安保さんが
東郷平八郎さんに発した言葉
「どちら側で戦をなさるのですか!」
東郷さんは 丁字戦法 (東郷ターン)の指示を
出したのでした
安保さんが発した言葉は
今も歴史上に残っているらしいです

昨秋から放送されている
再放送を観ていたが
撮影時の年齢では感じられなかった
作品の壮大さ や 奥深さ など
自分が年齢を重ねた 今
しみじみと心に染みている
スペシャルな作品に参加できたこと
本当に幸せだったと思いながら
色んな方への感謝を忘れてはならないと
今でも 切に思っている

余談になりますが
小松での撮影は夕方に終了
リゾートホテルに戻ると連日
草刈正雄さんとテニスコートで
暗くなるまで テニスをして
その後は ホテル内で卓球やプール
ラストは温泉に入って
疲れを取った楽しい思い出が …
( 部活みたいな … 笑笑 )
撮影も残り少なくなった ある日
本木さんからドンペイさん
僕もテニスご一緒していいですか?
ホテルの部屋から毎日楽しそうな姿を見て
テニスはやったことないけど
やりたいなぁ~と思ったんです!と…
昔、テニスコーチをしていた僕
簡単にテニスを楽しめる方法を
モックンに伝授し ご一緒に楽しみました

永遠に語り継がれるドラマ
「 坂の上の雲 」
今の時代だからこそ
観るべきドラマだと思う

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