ドンペイのコラムでござる

[2024年02月号] 俳優 ドンペイのコラムでござる

ドラマや映画の仕事で
今まで色んな方言を使った芝居をしてきた
中でも関西弁が多い
作品には方言指導をされる先生もいて
クランクイン前には先生が僕のセリフを
吹き込んでくださった方言テープを頂く
最近は CD かデーターですが … (笑)
( いまカセットテープを渡されても聞けない … )(笑)
色んな地方の言葉を覚えたことがありますが
以外とイントネーションは
すんなりと覚えることができて
苦労したことは ほとんどない が …
ここだけの話
標準語には苦労している ( 未だに … 笑 )
それには理由があって
僕は大阪で生まれ育ち
幼き頃から大阪弁に慣れ親しんできた
京都の大部屋俳優から東京へ出て
30年近く経つのに未だ普段の生活は
関西弁を使いまくり生きている
生活拠点が東京であっても
標準語に直そうともせずに … (笑)
普段のドラマや映画でのセリフは標準語なので
作品に入る前にはひと苦労している
俳優生活が長いのでスイッチを切り替えると
台本に書かれたセリフのイントネーションなどは
問題 ないのですが
芝居をしていて 唯一 苦労するのは
標準語でのアドリブセリフが
出てこないことなんです …
関西弁での芝居の時には
あんなにも流暢に
状況に合ったアドリブの言葉が
スラスラと出てくるのに …
なので 標準語での芝居の時
俺は無口になる … (笑)

若かりし頃、「全部」という言葉のニュアンスを
主人公とのやり取りシーンで
何度もやり直しさせられたことがある
主人公が ちょっとおかしいよ から始まり
もう一度 言ってみろ もう一回 !
違う 違う 違うそうじゃない って …
まるで 鈴木雅之さんの歌のように言われ
くり返し 何度も言っていると
どれが本当に正しいのか!? わからなくなり
半泣きになったことがあった (笑)

日本全国、色んな地域で
色んな言葉を話す方が増えた 昨今
ドラマや映画の中でも状況に応じて
話しやすい言葉で芝居をする方が
断然、気持ちが 100%入り
いい芝居ができると思うんだけどなぁ~ (笑)
な~んて思いながら大好きな現場を
楽しんでいるのでした

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