ドンペイのコラムでござる

[2021年06月号] 俳優 土平ドンペイのコラムでござる

雨に濡れ 木々の緑も深みを増す この頃
水の月ですが 季節は初夏
街でも半袖姿が目立つようになってきました

そして、僕自身 母への思い巡らす6月が…
22年前の6月18日
お母さんは 天国へ旅立った
あの日のことは明確に覚えている
夕方 アルバイト先に
母が危篤状態だと連絡があり
車をぶっ飛ばして病院へ向かった
病室の扉を開けると
静かに穏やかな顔して
横になるお母さんが…
死に際には間に合わなかった
身体を揺すっても
耳元でお母さん!と何度呼んでも
反応がない
身体はまだ温かいのに…
不思議な現象があった
僕の頭上で何かを感じた
その時、あー お母さんは
本当に死んだんだ…って…

明るく前向きな人だった
何よりも僕のことを気にかけた母
19歳しか離れてなかったので
どこか お姉ちゃんのような感覚でもあった
僕が大人になってからでも
お互いの時間を合わせて
買い物に行ったり食事をしたり
楽しい時間を過ごした

有名お菓子メーカーの営業で実績を上げた後
大手生命保険会社で地道な努力が実り
ドンドン役職も上げて行った
そんな母の夢は
僕のマネージャーになることだった
その頃の僕は俳優として
やっていけるか? の頃だったので
マネージャーなんて…と思っていたが
昨年より個人事務所での活動になった今
こんな強力なマネージャーが
傍に居てくれたらなぁ…と よく思います(笑)

ひょーきんで少し破天荒なところもあって
明るい ひまわりのような お母さん

その昔、鼻の横にホクロがあって
歌も上手かったので
よみうりテレビで放送していた
歌謡番組の
ちあきなおみ そっくりさん大会に応募し
予選の最終審査で よみうりテレビまで行くことに
小さかった僕はテレビ局まで着いていき
待合室で待っていた記憶がある
結果は残念ながら
テレビ番組までの出演はならずだった
いま考えたら笑ける
鼻の横にホクロがあるだけで
ちあきなおみ そっくりさんに
出よう!と思うのだから (笑)

優しくてユーモアたっぷりの お母さん
何年経っても僕の心の中で
ひまわりのように咲き誇ります

話は変わりますが
今年の大河ドラマ
「青天を衝く」に出演しました
と言っても 第 19 話なので
まだ放送されていませんが … (笑)
6本目の大河ドラマ出演ですが
「花燃ゆ」以来 なので嬉しかった!
この機会を与えて下さったのは
NHKの若手ディレクター
初の大河ドラマを担当することから
気合いが入って居られた
彼は「べっぴんさん」の助監督でした
その頃から自分が監督になったら
絶対ドンペイさんに出て貰いたいと
思ってくれていたらしく
今回に繋がったのです
僕からすると、万と居る俳優の中で
ドンペイのことを忘れず
よくぞ お声をかけて下さいました
役者冥利に尽きます!
こんなに嬉しいことはありません
今回に限らずですが
今までも先方からのお声掛けで
色んな作品に出演することが多く
ご縁って本当に大事だと痛感しています
もちろんお声掛けされてヤッホーって
浮かれながら現場に向かったことはありません
お声掛けで出演に至った作品は特に
いつも以上に気合いが入ります
ドンペイを指名した方が他の方々に
ここはドンペイで良かった!と
撮影後にそんな声が上がれば
少しでも、お声を掛けて下さった方に
感謝の気持ちが伝えられたように思うのです
俳優なんて代わりは いくらでも居ます
作品ひとつひとつが真剣勝負なのです!
どんな役であっても必死に取り組み
一生懸命やるんです
俳優として生き残るために!

大変な世界ですが自分のやりたい仕事を
生涯の職業として歩めていることに
幸せを感じる 今日この頃です

梅雨時期ではありますが
皆さま、気持ちは晴れ晴れに
日々 楽しく 元気に! 行きましょう

→ コラム一覧へ