ドンペイのコラムでござる

[2021年03月号] 俳優 土平ドンペイのコラムでござる

早春は別れの季節

卒園、卒業、退職など別れを表す
言葉は数々あれど
僕の中では学生時代の卒業が
いちばん印象深いイメージだ
その頃に流行っていた「卒業ソング」
斉藤由貴さんの「卒業」
菊池桃子さんの「卒業」
柏原芳恵さんの「春なのに」
などを聴いてキュン!としていた思い出がある
余談だが菊池桃子さんが大人気の頃
同じくアイドル歌手に菊池陽子さん (享年32)
と言う美しい方が居られた
部活の合宿に向かう列車 (山陰線) で
偶然お会いし挨拶すると
列車の連結通路まで来て下さり
たわいも無い同世代のお話をして
盛り上がった思い出がある(笑)

卒業や思い出 とくればコレを話さなくては と
思うことがあります
僕の面白い体験と言いますか
アホやなぁ~と言いますか… (笑)

高校の修学旅行は九州の旅でした
飛行機で長崎に入り九州を横断し
宮崎から船 (サンフラワー) で神戸までの旅
ホテルでの夕食時に行われた
各クラス代表による宴会芸大会では
審査員のホテルスタッフ、バス会社の関係者
学校の先生方の前で披露した
芸人ドンペイのモノマネ芸が
ダントツの笑いを取り、優勝し
記念品を貰った
そんな思い出深い旅行から数ヶ月後
卒業を目前にした仲良し4人組で
卒業旅行へ行くことになった
行先は、もう一度 宮崎へ行こう!ってことに…
修学旅行時、ずっとガイド案内をしてくれた
宮崎交通のバスガイドさんに会いたいから…(笑)
連絡先など知らないから
無理だろうと思っていましたが
宮崎に入ると 4人でどうする どうする!?と…
宮崎交通の会社に電話し
修学旅行時のことを伝えると
ご本人に繋いで下さり
話すことができたのです
ガイドさんは毎日のように
全国からの修学旅行生を
案内しているから覚えてる訳がない
絶対会いたい!と言ってる友達が
比叡山高校の○○です!と言っても
学校は覚えてるけど個人のお名前までは…
ってな感じで話が通じないので
僕と電話を代わり もしやと思い
あのー 比叡山高校のたこ八郎です!って言うと
あぁ~ タコくん!
覚えてますよー 面白かったから…と
僕たちガイドさんに会いたいんです
無理ですか?と聞くと
僕たちの修学旅行の後、ご結婚されたようで
時間が取れるかなぁ?ってことでしたが
一応、明日の夜 宮崎港から
サンフラワーに乗って帰ることを伝えると
お見送りに行けたら行くねって言って下さり
青少年の僕たちはそれだけで
テンションアゲアゲになりました
次の日の夜、宮崎港に着いた4人は
キョロキョロとガイドさんを
探しましたが見つけられず
出発まで待つ!とアホな友達が言うので
じゃ 2人ずつに分かれよか
タコくんが居ないとアカンやろってことから
2人が僕たちの荷物も持って
サンフラワーに乗り込み
僕と友達とで港の待ち合い所で待つことに
まだ来ないかな~って友達が言うので
たぶん来ないやろ … 
もう船に乗ろうぜと言うと
もうちょっとだけ待ってくれや
絶対来るからと友達が本気で言うので
コイツほんまにアホや~って思ってたら
ボ~~って汽笛の音が美しく聞こえてきて
ほら ボ~~ って言うてるぞ
船 出たんちゃうかぁ~って
笑いながら辺りを見回すと
先程までサンフラワーに乗る乗客が
結構いたのに待ち合い所には誰も居ない …
えっ!えっ! 僕が焦って改札口まで行くと
扉の鍵が閉められ係員も誰も居ない
えっ ウソやん!
扉の鍵を開け桟橋の先まで走って行くと
なんと! 大型客船のサンフラワーが
陸から数メートル離れているではありませんか!?
桟橋の先でヤバい!ヤバい!どうすんねん!って
僕が不安いっぱいに言うと
友達は まぁ~ 焦んな係員に言ったら
戻ってくれるやろって…
そんなアホな … 前からわかってたけど
コイツほんまのアホや!って
腹立たしく確信した瞬間でした
僕は と言うと 数メートルの距離だから
船に飛び乗ろうと真剣に考えていました
桟橋の近くに船会社の人達が来て
飛ぶな!飛ぶな!と必死の形相で
叫んでいました
船は みるみる離れて行きます…
半泣きで ほぼ諦めたところに
船会社の方から
まずは落ち着いて下さい!
事務所でお話を伺いますと…
友達2人が僕たちの荷物を持って乗る
サンフラワーをとても不安な気持ちで見送った
その後、船会社の事務所で大人達に囲まれ
状況を説明したのでありました(笑)

まだまだ、この続きがありますが
コラムが小説物語になるので
今回はここまでとします
続きはいずれお話しますね

アホな経験は何十年経っても
語り草になってます(笑)

「別れの後には
出会いの季節がやって来る」

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