ドンペイのコラムでござる

[2019年07月号] 俳優 土平ドンペイのコラムでござる

今年も はや半年が過ぎようとしています
時の経つのは本当に早いものです 日々噛みしめて過ごさないと
気づいたら人生の終盤になってそうで…(それはちょい言いすぎかぁ~笑)
最近までドラマの撮影をしていました
その作品の監督とは初めてのお仕事だと思っていました
ドラマや映画を撮られてるベテラン監督です 打ち上げの席で監督から
「今回の役をドンペイさんが演じて下さり助かりました」と
嬉しいお言葉を頂き 僕も喜んでいたら
「もう1つ ドンペイさんにお会いできたら
お礼を言いたいと ずっと思っていた事が…」と
えっ!? お会いするのは初めてですよね …
約20年前、湘南爆走族 と言う作品に出演されたこと覚えて居られますか?
あぁー 撮影もハードスケジュールだった記憶がある…
ある日も千葉の九十九里浜で撮影をして 終了したのは
いつものように深夜の1時頃 若い助監督がプロデューサーから
出演俳優をそれぞれの自宅近くまで送るようにと ……
僕も その車に乗り込み1日の疲れを感じながらホッとしていると
乗っているワゴン車が どうも右へ左へフラついているように ……
僕は運転席の後ろに乗っていて おかしいなぁ~と思っていたら
運転をしている若い助監督がウトウトではなく
ガクッ!ガクッと何度も寝入っているではないですか!
あぶない! 思わず声が出てしまい
運転手に大丈夫かと何度も確認をしました
にもかかわらず数分も経たないうちに また ガクッ!と…
ちょっと待て、1回 止まろう!
九十九里浜からの道は真っ暗闇で行き交う車もなく
寝入ってしまうには もって来いの状況だったのです(笑)
一旦、運転を代わろう
キミも疲れてるだろうから10分だけ寝なよと僕が運転席に …
数名の俳優を乗せている事で不思議と目が冴え順調に東京へ向かった
助手席の彼は気持ちよさそうにグッスリ寝ている(笑)
海ホタル(海中のトンネル)を抜けると神奈川県の川崎だ
順に乗車している者たちの自宅近くまで送り届け
新宿近くまで来た時 若い彼を起こした
「おーぃ 俺の家の近くだから あとは運転して帰れるか?」
ビックリして飛び起きた彼は車内を見渡し えっ!? と…
全員、送り届けたよ (笑) 本当にスミマセン スミマセン…
ハハハ かまへん かまへん キミも疲れてるから睡眠取れて良かったやん…
空は明るくなっていた…そんな出来事があったのです……
そうすると監督が
実は あの時、運転を代わってもらった若者は僕なんです!
「 えっ!? 」 少しの間、声が出せませんでした…
新人だった彼と俳優として生き残れるか分からなかった 僕
まだまだの2人が同じ世界で諦めず
コツコツ頑張った月日を考えると とても感慨深くなりました
「ドンペイさんに あの日のお礼が言いたくて…
約20年かかりましたが
この日が来たことを本当に嬉しく思ってます!」 と…
あぁ~ なんて嬉しいんだろう ありがとう!
改めて人生で大事なことに気づきました
「ご縁」 そして 「継続する事」 ですね (^^)/

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